バルーンの「色の一貫性」について(クオラテックス)

ラテックスバルーン(ゴム風船)は「ロットによって色が違う」場合があります。

バルーンの世界的ブランド「クオラテックス」より、色の一貫性に関する公式見解が発表されましたので、翻訳してこちらにお知らせいたします。

色の一貫性(Color Consistency)について

クオラテックスは、当社の生産するラテックスバルーン(ゴム風船)に関する皆様のご意見に常に耳を傾けております。 中には、同じ色を注文したにも関わらず、その色がお客様がお持ちの他のバルーンと一致しないという声もあります。 私たちは、お客様にとって色の一貫性がいかに重要であるか、色の違いがどれほどのダメージになるかを理解しています。 当社はお客様のご期待に応え、それを超えるよう努めておりますが、ご期待に添えない場合があることを承知しており、まずはそのことをお詫び申し上げます。

今回、この説明で、色が異なってしまう理由や背景を説明し、皆様のご理解に役立てればと思っております。

なぜ常に一貫した色を作ることができないのでしょうか?

製造のプロセスについて

ラテックスバルーンの作成は、部品の組み立てではなくプロセスです。 ケーキを最初から焼くようなものです。

基本的な材料を混ぜ合わせて作成のプロセスは始まりますが、少し原材料の質や配合の割合が変わるだけでバルーンの質や色は大きな影響を受けます。 ケーキを作る場合と似ているかもしれません。 ラテックスバルーンの主成分は天然ゴムで、ケーキの小麦粉と同じようにオーガニックです。 天然ゴムが育つ土壌や天候の変化でさえ、化学組成に影響を与える可能性があります。 顔料(色)も様々な種類があります。 天然由来のものも、合成されたものもありますが、これら顔料は総じて科学的にはラテックスと相性が良くありません。 油と水のように、あまりよくなじまないのです。 細心の注意を払い、技術を駆使して混合し、沈殿や偏りを避ける必要があります。 事前のテストを入念に行いますが、うまく行かず、その顔料はあきらめて別の顔料にしなければならないこともあります。 また、風船は膨らませる前と後とで色が異なるため、これらもチェックしなければなりません。

そして、チェックが完了してうまくバルーンが出来上がったあとでも、顔料を変更しなければならないことがあります。 様々な理由がありますが、いくつか例示すると以下の通りです。

  • 顔料メーカーによる顔料の生産中止
  • サプライチェーンの停滞があり、必要な材料が届かない
  • 天然ゴム組成のブレ
  • 政府や法律の規制の変更による顔料の利用不可

管理体制について

色のチェック

液体ラテックスを、公式な色標準サンプルと比較するテストは常に実施しています。 正確で同一の条件下で色は測定しなければなりません。 最終的にバルーンに含まれる顔料の量は、ケーキ全体に 1~2滴の色を追加するようなものです。 熱加工プロセスの温度や最終乾燥工程の時間によっても色は変化します。 これらのプロセスを基準に従い正確に行うため、精度の高い方法を開発し、 お客様の期待を意識しつつそれに沿えるよう高いレベルのチェックを行っています。

品質のチェック

バルーンが製品として完成した後は、別のチェック工程で膨らませたバルーンの色を、当社にて管理する「標準」個体と比較します。 統計的にサンプリングした商品において、色のばらつきや不良品の数が基準を超えた場合、検査は不合格となり、クオラテックスの製品として出荷されません。 異なる工場で製造する際には、差異が生じないよう努めています。 ただし、日に何百万ものラテックスバルーンを製造しているため、テストから漏れる製品が発生する可能性を否定できません。 当社の3フィートバルーンは100%完全に膨らませて検査されていますが、当社の規定のチェックを経ても異常が見つかることがあります。

梱包・輸送体制

ダラスで製造されたすべてのバルーンと、カナダのハミルトンで製造されたバルーンのほとんどは、印刷、梱包、他の当社拠点への発送のためにカンザス州エルドラドに大量に送られます。 梱包のプロセスにおいて、ラベリングの失敗や自動梱包機の誤作動で、表示内容と内容色が異なる場合があります。 つまり、「x色」のバッグに「y色」の風船がいくつか含まれる場合があります。 予防策、再発防止策を随時実施しております。

過去に起こった事故については、これに向き合い、お詫び申し上げます。 それぞれのプロセスの精度を向上させ、クオラテックスの品質の一貫性を確保する取り組みを重点的に積み重ね、さらなる改善を図ってまいります。

コロナの感染拡大の期間中、スタッフの異動に伴い、クオラテックスが積み上げて来た知識の一部を失ったことも否めません。 現在残ったチームメンバーは、クオラテックスが積み上げて来た品質に関するフィロソフィー、そして先人の積み上げた手順の習得に励み、 経験を積み、色の一貫性に関してもより精度を高めて行きたいと思っております。 現時点では、色のばらつきの決定的な要因を特定し完全に克服する境地には達しておらず、引き続きの研究と対応を進めていく所存です。

私たちは常にお客様の声に耳を傾けています。 皆様の声が私たちの元に届いた場合は、状況や在庫を確認し、必要に応じ徹底的なテストを行いますので、ご安心ください。

クオラテックスの色の一貫性が数年前と現在では異なっているように見えるのはなぜですか?

長年にわたって、クオラテックスは、色の一貫性の問題に向き合い、課題を克服してきました。 しかしながら、コロナ感染拡大による原材料不足、そして政府の顔料に関する規制が不規則かつ急激に増えたことは、ここ数年の色の一貫性に劇的な影響を与えています。 当社はバルーン界における役割と責任を理解し、その責任を果たす所存です。 世界の皆様が受ける悪い影響を最小限に、そして良い影響を確固たるものにするため、引き続き研究と改善を図っていきます。 政府の規制を制御することはできませんが、規制がもたらす製品やお客様への影響を最小限に抑える方法を重点的に模索していきます。

クオラテックスの色の一貫性を向上させるために何をするつもりですか?

永続的なプロセス改善は私たちの終わりのない目標です。 私たちは毎週さまざまなデータを数値化し、改善に努めています。 ラテックス工場および事業間のコミュニケーションを強化し、拠点や事業を超えて高いレベルの基準を厳格に遵守するよう努めています。 この変化に対応する新しいリーダーシップも生まれ、材料と手順に関する共通の合意が次々と構築されています。 また、販売店の皆様とのパートナーシップを強化し、色に関する対応を支援するためのより新しい技術の採用にも取り組んでいます。

皆様のご期待に応えられるよう改善を続けてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

私たちは、皆様のビジネスのみならず個人的な成功のお役に立ちたいと願っております。 そして、全人類に風船の喜びを届けたいと願い事業を行っております。 私たちの取り組み、そしてクオラテックス製品への変わらぬご愛顧とご支援に心より感謝申し上げます。

2022年 10月 パイオニア・バルーン (クオラテックス)

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