バー・ツール ナランハ メールマガジン Vol. 132 (2016年10月6日 発行)

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 バー・ツール ナランハ メールマガジン

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 1.ANFA名誉会長 北條智之氏インタビュー
   ~フレア界への無私の貢献と絶大なる功績に感謝を込めて~ byN 
 2.新商品情報・お知らせ
 3.カタログ配布
 4.休業日のご案内
 5.次回発行日のご案内
 
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 1.ANFA名誉会長 北條智之氏インタビュー
   ~フレア界への無私の貢献と絶大なる功績に感謝を込めて~ byN 
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 先般、日本フレアバーテンダーズ協会(ANFA)を創設し、
 その会長を16年に渡って務められた北條智之氏が退任され、
 新たに江田毅寿氏が二代目のANFA会長に就任されました。

 率直に申し上げて、フレア界における圧倒的な指導的な立場と、
 40歳を少し過ぎたという若さでの退任発表に衝撃を受けております。

 北條氏には、バー・ツール ナランハの創業以来、
 多大なるご指導とご協力をいただき、今でも大変お世話になっています。
 感謝の気持ちをお伝えすべく、そして何より色んなお話をお伺いすべく、
 北條氏のバー「ネマニャ」にお邪魔して参りました。
 今回は、北條氏のインタビューをお届けいたします。

 以下、ナランハ(N)の質問を棒線 --- で表記します。


 --- 16年間、お疲れ様でした。そして、ありがとうございます。
 北條さんのフレアとの出会い、それから設立に至るまでの流れを
 教えていただけますか?

 私がフレアと呼べるものを実際に行ったのは1997年ですので、来年で20年ですね。
 当時、カクテルコンペで中々勝てず、あらゆる試行錯誤をしていました。
 そもそもいろんな事に挑戦するのが好きで、東京會舘に勤めていた時も
 「ダブルシェイク」(※両手でシェイカーを1つずつ振る技術)をこっそり練習し、
 お客様との話の流れの中で披露したりしていました。お客様には喜ばれましたが、
 閉店後に師匠や先輩に色々言われましたね。

 「上手に」アピールしたい、という思いで色々調べたりしているうちに、
 ブルーブレイザー(※カクテルに火を点け、カップ間を移動させて作るカクテル。
 フレアの原点と言われる)に出会い、あるいは国際大会でフレアをする選手と
 知り合いになり、自分もやってみようということになりました。
 1998年には、その後自身のお店の代表作となるフレア・パフォーマンス・カクテル
 「ライディーン」が完成し、営業でも本格的に取り入れ始めました。

 ただ、当時は情報が非常に少なく、やっている人も少なく、
 仲間を探そうということで、FBA(アメリカのフレアバーテンダー協会)の
 会員にもなりましたが、私が会員第一号だということでした。
 少しずつフレアに興味を持つ人たちとの連絡が進み、T.G.I.フライデーズという
 フレアとなじみの深いレストランで働いていた久保田琢磨さん、
 韓国でのフレア事情に詳しい石川廣幸さんが共同設立者となり、
 FBN(フレア・バーテンダーズ・ネットワーク)を作りました。
 情報交換の仲間、サークルから一歩抜けてしっかり頑張ろう、ということですね。
 これが設立の原点です。


 --- その後、様々なことがあったと思います。団体の変遷について、
 今一度お話いただけますか?

 設立後数年で、国際交流も進み、人脈も深まり、人数も増え、
 アメリカの団体(FBA)から認められ、傘下団体になるという話をいただきました。
 日本の小さな組織が世界組織に加わるということで、名称も「FBA JAPAN」に
 改称しました。当時は、会員数が年毎に倍増し、当初60名だった会員が
 600名ほどにまで増え、しっかりと運営しなければと思っていました。

 2008年は、アメリカのフレア組織(FBA)に大きな分裂騒動がありました。
 アメリカ中心で運営するFBAに反発する世界のフレア・バーテンダーたちが、
 WFAという団体を立ち上げ、そして上手に運営をしていました。
 この時、日本の組織も大きな決断を迫られていました。
 様々な方面から話がありましたが、私はこの時、どの組織の傘下団体にも
 ならない、独立した組織にしないと同じ事がまた起こる、と予感し、
 現在のANFA設立を決断しました。WFAからもFBAからも距離を取りつつ、
 お互いとしっかりと付き合う、当時は非常にアクロバティックに
 様々な事を行いました。時には独断で物事を進め、反発を受けたこともあります。
 でも、結局WFAも現在様々な問題を抱え、日本はその問題の外側に
 居る事を考えると、当時の決断は正しかったと感じています。


 --- フレア協会の会長としての情熱はどこにありましたか?

 まずは、世界に認められたい、という思いが強かったですね。
 欧米人中心のフレア界で、アジアに対する偏見というのを少なからず
 感じるシーンがありました。審査競技ですから、アジアに対する偏った見方は
 選手たちが被害を受けます。とにかく世界チャンピオンを出し、
 世界大会をしっかりと開催し、日本そして、アジアのフレア界の存在感を
 高めたい、設立当初からその思いは強くありました。

 2006年に世界大会「インター ナショナル・アルティメット・フレア・チャレンジ」を
 日本に誘致したり、2008年には世界大会「SKYY Flair Global Challenge」で
 金城光浩(ミツ)さんが日本人初の「世界チャンピオン」になり、
 その思いは前に進んだと思います。


 --- その他にも情熱あふれていましたよね。

 そうですね・・・大会はたくさん開催し、審査もたくさんやりましたね。
 今思えば、日本で初めてのフレアの大会を当時のお店「マルソウ」で開催したこと、
 東日本大震災の年はチャリティーも含めて56個の大会で審査をしたこと、
 人が多かったり少なかったり、色んな想い出があります。
 ポーランドのフレアの団体が表彰してくれたことがあり、その時に調べて
 数え始めたのですが、現時点で380回ほど大会の審査をしています。

 あと、本やビデオも皆さんと一緒に作りました。フレアの教材を仲間たちと作った、
 というのが大きな想い出です。


 --- なぜ、今、会長を退かれるのでしょうか?

 もともとの根底には、世界での実績もない私がずっと会長を続けることに
 違和感を感じていました。世界で認められた数々の後輩が育っていく中で、
 彼らのエネルギーをフレア界の発展に役立ててほしい、
 私はそもそも長く続けてはいけない、と思っていました。

 ただ、私が先頭に立ってずっとやってきたこともあり、引継ぎは
 なかなか難しいというのも実感していました。そういった中で、
 創設以来ずっと副会長としてサポートしてくれていた江田さんが、
 新しい会長を引き受けてくれることになりました。世界との人脈、
 日本のトップ・フレア・バーテンダーたちからの人望、次世代とのつながり、
 そして「私の次」というやりにくい仕事を引き受けてくれるのは
 彼しかいない、ということで喜んで決断しました。


 --- 次代に期待することをお教えください。

 基本的には、自由に、しっかりとやってくれると思っています。

 今までは、任意団体で活動をしていたのですが、江田さんの体制で
 法人化を行うという方針を応援しています。色々メリット、デメリットを考え、
 私の時代には行わなかったのですが、やはりフレアの社会的地位向上のためにも、
 しっかりとした団体として認められれば嬉しく思います。

 あとは、国内の地場固めに期待したいです。私は「外へ」認めてもらいたいという
 気持ちが強かったのですが、江田さんは、国内をしっかり固めたいという事を
 聞いています。日本のフレア協会は、他国に比べてしっかりと
 組織が成り立っているので、その組織の力を活かしてほしいと思います。


 --- 北條さんご自身の協会への関わりはどうなるのでしょうか?

 私のお役に立てる事であれば何でも、と思っています。具体的には、
 大会の審査のお手伝い、あるいはお酒の知識などのセミナー、
 啓蒙活動などでしょうか。自分が好きなジャンルで楽しく
 関わらせていただければと思っています。


 --- 最後に、北條さんの個人的な情熱の行き先を教えてください。

 とにかく、美味しいお酒を造りたいです。私自身、お酒が好きですし、
 新しい物が大好きです。古今東西、歴史や場所を超えた様々な知識や
 技術を勉強して、美味しいお酒を造るための修行に自分の情熱をささげています。
 フレア・バーテンダーはお酒を造れないという偏見と闘ってきました。
 私はいつまでもフレア・バーテンダーという心持ちを持っています。
 私自身が、美味しいお酒を造り、研究を深めることでフレア・バーテンダーの
 地位向上につながれば嬉しいです。


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 インタビューの最中も、実はお話はお酒の話に何回もそれました。

 芳香蒸留水(植物由来の香りをしみこませた水を蒸留したもの)のお話、
 蘭挽(らんびき)と言われる江戸時代の蒸留器の研究のお話、
 横浜名物「岩井の胡麻油」をカクテルに活かすお話、
 その他ミクソロジーの展開を本当にたくさんお話いただきました。
 ここに掲載できないのが残念ですが、ナランハではミクソロジーを
 引き続き頑張って参りますので、追ってご紹介できればと思います。


 ナランハでは、以下の文言を刻んだ特製のカクテルシェーカーを
 寄贈させていただきました。私たちバー・ツール ナランハの
 心よりの感謝を刻んでいます。


 フレア界への無私の貢献と
 絶大なる功績に感謝を込めて

 バー・ツール ナランハ


 新会長となった江田様にも、また改めてお話をお伺いしたく思います。
 今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。

--[ 関連サイト ]--------------------------------

 ANFA (全日本フレア・バーテンダーズ協会)
 (外部サイト)

 カクテルバー ネマニャ
 神奈川県横浜市中区相生町1-2-1 パレカンナイ6F
 TEL 045-664-7305

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 2.新商品情報・お知らせ
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 ★スモーキング ガン 販売開始
 https://www.naranja.co.jp/bar/web-pages/9189

 ★木村硝子店 価格改定
 https://www.naranja.co.jp/bar/web-categories/493

 ★AG シリーズ ゴールド、ピンクゴールド 販売開始
 https://www.naranja.co.jp/bar/web-categories/497

 ★オーク インフュージョン スパイラル 販売開始
 https://www.naranja.co.jp/bar/web-pages/6977

 ★ドリンクサーバー 3リットル 販売開始
 https://www.naranja.co.jp/bar/web-pages/9315

 ★スカル バースプーン 販売開始
 https://www.naranja.co.jp/bar/web-pages/9771

 ★木村硝子店 バーマン シリーズ 販売開始
 https://www.naranja.co.jp/bar/web-categories/493

 ★木村硝子店 ピーボ オーソドックス 240ml (63224-210) 販売開始
 https://www.naranja.co.jp/bar/web-pages/9945

 ★シュピゲラウ ウィルスバーガーアニバーサリー シリーズ 販売開始
 https://www.naranja.co.jp/bar/web-categories/531

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 3.カタログ配布
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 カタログ(バー・ツールVol.9)をご希望の方に差し上げております。
 全国無料で配送いたします。下記よりご請求ください。
 https://www.naranja.co.jp/bar/catalog-order

 ショッピングカートからご注文の際にご請求も可能です。
 また、PDFファイル版のダウンロードも準備しております。

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 4.休業日のご案内
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 10月の休業日は1・8・10・15・22・29日となります。
 日曜日は板橋店舗の営業および、物流センターでの
 発送業務のみとなります。
 ホームページ・Eメール・ファックス等でのご注文は
 24時間受け付けておりますが、お問い合わせへのご返事や
 商品の発送などは翌営業日以降となります。
 https://www.naranja.co.jp/bar/calendar-entries

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 5.次回発行日のご案内
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 2016年11月10日(木)に配信予定です。

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 発行: 株式会社ナランハ
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 執筆: N
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