さて、皆様お待ちかね、「ナランハ 突撃インタビュー!」のお時間です。
縁あってお会いできたツイスターの皆様に、あつかましくもインタビューをお願いし、お答えいただことを記事にしてお届けしていきたいと思います。
今回は可愛いクラウンに扮し、バルーンアーティストとして九州の熊本を拠点としてご活動されている
「バルーンアーティストあややん」さん前編です
※写真をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
あややんさんは可愛いクラウンに扮し、バルーンアーティストとして活躍する傍ら(かたわら)、5人のお子様を持つパワフルなお母さんでもあります!
では、はじめにあややんさんより簡単な自己紹介です
「熊本県内を中心に活動しているバルーンアーティストあややんです。よろしくお願いします。」
あややんさんとバルーンとの出会い、バルーンをやることになったきっかけを教えていただけますか
「10年程前に沖縄に住んでいた際、クラウン・コトラさんのバルーンショーを初めて見たのですが、那覇航空祭りや子育て支援センターなどイベントの大小に関わらず子ども達を笑顔にしている姿が素敵だな~と感動しました。でも、その時は出産したばかりでバルーンを始められないまま引越し、縁がないと思っていました。」
「その数年後、福岡の病院に看護師として勤務していた時、高齢の入院患者さんが嬉しそうに、クマのバルーンを両手に抱えていたのを見ました。その方は、病気で後遺症があり、気分も落ち込みがちのおばあちゃんだったのですが、バルーンを大切に抱えているときの嬉しそうな表情がとても印象的で、たった一つのバルーンがこんなにも人を笑顔に出来るんだな~。と驚きました。」
「そして、これを作った方が同じ病院の看護師さんだと知り(福岡風船の会のTakaさん)、その方の紹介で『福岡風船の会』に参加したのがきっかけです。」
バルーン一つで人を喜ばせることが出来る驚き、とってもよく分かります。笑顔になることで心のきしみを一瞬でも取り去ることができるならやってみたい!と思うのは病院という現場で働いているとより強く感じることだろうなと思いました
では、クラウンの「バルーンアーティスト あややん」として活動し始めることになったきっかけやいきさつを教えていただけますか?
「月一回の『福岡風船の会』に参加し、毎回楽しくバルーンを作っていましたが、その後私に『甲状腺がん』が見つかりました。」
「甲状腺とは喉にある代謝(糖、脂質、筋肉など)を調整するホルモンを分泌する場所で、人間が生きていく為に、なにげに大切な臓器です。」
「最初のきっかけは、のどが、痛くも、詰まるわけでもなく、ただなんとなく違和感があっただけだったので、自分が30代前半で『がん』になるなんて、まさに晴天の霹靂でした。また、甲状腺だけでなく、周囲のリンパ節転移、食道にもがんが癒着しており、声帯を調整している迷走神経にもがんが絡んでいた場合は、がんごと切除するので声がかすれて出なくなってしまうと言われ、声が出なくなってしまったら、子どもが危ない時に知らせてあげられないのか?など親としての責任が果たせないかもしれない不安と、自分の意思ではどうにもならないがんの進行の恐怖で苦しい日々を送っていました。」
「無事に手術も終えたのですが、元の身体には戻らない体調の変化。自分の身体の一部がなくなった喪失感。がんが自分の身体から取り除かれた安堵感と次に沸いてくる再発の恐怖…。しかし、周囲心配をかけてはいけないと努めて明るく振る舞っている自分がいて、そのギャップに苦しむ日々でした。」
「そんな時、『イエンタウンフールズ』さんのワークショップが福岡で開かれると聞き、クラウンが何かもわからずに参加しました。クラウンのコミュニケーションやメイクなどを教えてもらううちに、いつの間にか心の不安を忘れ笑顔になっていました。こころの霧が晴れたようにスーっと消えていったことを今でも覚えています。」
「お年寄りから小さな子どもまで、年齢や、性別、言葉など関係なく、元気な子でも病気の子でも目の前にいる人を笑顔に出来るクラウンって何て素敵なんだろう!!まさに、『あややん』の誕生でした。」
「その後は、『自分の人生を後悔したくない』と、クラウンのレッスンに行ったり、デイジーバルーン細貝さんの「バルーンドレスセミナー」に参加させていただいたり前向きに生きられるようになりました。また、いい病院と巡り会い、上手に手術をしていただいたおかげで、その後、2回の再発で手術をしましたが、声も失わずに元気で今も活動できていることは、感謝の気持ちしかありません。」
ツイスターズでは元気なお姿を拝見していましたので、今までの沢山の葛藤を知る由もありませんでした。普通に暮らせることは当たり前ではないこと、後悔ない人生を歩むこと、あややんさんのインタビューで改めて大切だなと感じます。クラウンのレッスン、楽しそうですね♪沢山笑ったんだろうなとあややんさん自身が癒された様子からうかがえましたクラウンのイロハはわかりませんが、一所懸命なのに、ドジを踏んだり、皆から愛されるクラウンは実際のコミュニケーションの場でも応用できるかもしれませんね
とっても可愛くて素敵なクラウンのあややんが誕生し、沢山の方に笑顔を届けるお仕事をされていますが、今 "バルーンアーティスト あややん"として原動力となっているもの、それは何かお聞かせいただけますか
「先ほどお伝えした経緯の通り、いろいろあり・・・子育てや環境などを考えると、夫の実家のある熊本に引っ越した方がいいという結論から約4年前に福岡から熊本に引越しました。熊本では、まだまだバルーンという言葉も聞いたことがなく、見たこともない子ども達がたくさんいました。この子ども達に、バルーンの楽しさを知ってもらいたいな。と思いながら、いつもバルーンショーをしています。」
「自分の子ども達と同じように、目の前の子ども達にも喜んでもらいたい。それが、私の原動力だと思います。」
5人のお子様もきっとお母さんが大好きでしょうね"バルーンアーティスト あややん"がパフォーマンスする際の『こだわり』や『大事にしていること』はありますか
「一人一人のお客さんに誠実に。」
「バルーンショーを行っていく中で、手探りで始めたので、失敗も多くありました。今もありますが・・・。私がコトラさんを見たときに感激したように、バルーンに出会う子ども達にとってずっと心に残る、そして思い出す度に笑顔になれるように。イベントの大小ではなく、出会いを大切にしたアーティストになりたいなと思いながら活動しています。」
こんなにお子様思いのあややんさんだったら、子供たちだけでなく、きっと大人の方もあややんさんのことを思い出して笑顔になってもらえてると思います
さて、皆様も記憶に新しいと思いますが、2016年に大地震が熊本を襲いました。熊本地震で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
余震が続き、怖いおもいをご自身も感じながらも沢山の方に笑顔を届けたいと、全国から支援を集め、ご活動されていたのをブログで拝見いたしました。まだ大変な状況が続いていると思いますが、沢山の避難所等に出向いておられたあややんさんから何か我々被災地から離れている者に伝えたいこと、まだ被災されている方々に伝えたいことがあれば、お聞かせいただけますか?
「昨年の『ツイスターズ2016inひろしま』で実行委員長のPikaさんの計らいで、実行委員としてお手伝いさせていただき、またステージで支援へのお礼を伝えさせていただく機会をいただきました。本当にありがとうございました。」
「そして、ご支援くださった皆様、応援してくださった皆様にこの場で深く御礼申し上げます。ありがとうございました。」
「突然の大地震が昨年の4月14日、16日に起こりました。今まで地震のほとんど来なかった熊本は、地震の備えがなかったので大パニックに陥りました。」
「子ども達は、怯え親から離れず、親もどうしていいかわからず、ただ時が過ぎるのをじっと耐えて行かなければなりませんでした。地震発生後、すぐにたくさんのバルーンの仲間から『大丈夫?』とメールをいただきました。感謝しつつ、変な言い方かもしれませんがメールを読みながら『これは、リアルなんだな』と実感しました。」
「避難所の体育館では、みんな何も持たずに避難してきていたので、子どもが遊ぶ物もありません。校庭も車中泊の車でいっぱいで、走り回って遊べる状況ではありませんでした。学校や保育園は休校、小学生の高学年以上の子ども達は炊き出しなどのボランティア活動に参加しており、被災しながらも頑張っている子ども達を見て、私も何か出来ないか考えるようになりました。」
「その時、『何か出来ることがあれば協力するから』という皆さんの熱い言葉に突き動かされ、~熊本の子ども達を笑顔に~というプロジェクトを立ち上げ、子ども達が喜ぶものを支援物資として送っていただけないかSNSで呼びかけたところ、すぐに、皆さんからたくさんのバルーンやおもちゃ、お菓子など送っていただきその気持ちが温かくて本当に嬉しかったです。」
「その中でも、運んできた段ボールに応援メッセージが書かれていたり、手紙や色紙(寄せ書き)が入っていたことは、とても励みになりました。この皆さんの熱い気持ちを熊本の子ども達に何があっても届けなきゃ。と強く思い、一番被害の大きかった益城町周辺を中心に支援物資を届けに行きました。」
「『あややん』として届けることに葛藤もありましたが、実際に行ってみると、とても喜ばれました。年齢も性別も不思議なあややんだからこそ、子ども達も友達のように普通に受け入れてくれて、いろいろ体験を語ってくれたりする子もいました。」
「このような活動が出来たのも、支援してくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。」
「今は、全国各地で地震が多発し、見えない傷を負った子ども達も増えています。バルーンを通して、子ども達とコミュニケーションを行い、子ども達の心に寄り添えるような支援をこれからも続けていきたいと思います。」
「もし、支援に行かれる時は、支援の受け入れが可能であるか確認が必要になってきますので、行かれる前には問い合わせなどをされて行かれた方がいいと思います。」
「また、被災地では子どもだけでなく、保護者の方が疲弊している場面が多く見られますので、親子で楽しんでいただけるような雰囲気が大切だなあ。と感じました。」
本当に計り知れない恐怖と不安だったと思います。あややんさんが自分や家族ではなく、被災した皆さんの為に動かれたことで、本当に沢山の方が救われたんだなということを、写真やブログを通して感じました。
昨年のツイスターズ、あややんさんがステージに立たれた時の言葉で「被災地にクラウンとして出て行くことで、不謹慎と思われないか、傷つけてしまわないか不安があった」というが印象的でした。自分が良かれと思ったことも、それが必ずしもそうではない。正解がない。ここでの前例もない。私なら怖気づきそうな状況の中、勇気を持って実行されたことが本当に素晴しいなと思います。私も出来ることをしていきたいと思います。
さて、まだまだ沢山お話しをお伺いしましたが、今回はここまで後編は2月8日(水)に配信いたします!乞うご期待