最近のうだるような暑さに
ギブアップ気味の渡邊です。
先日、ずっといつかは行ってみたいと思っていた
シングルモルトウイスキー山崎の
蒸溜所に見学に行ってまいりましたので
レポートいたします。
山崎蒸溜所は大阪府三島郡島本町山崎五丁目にある
サントリーのウイスキー蒸留所です。
この山崎という土地が蒸溜所に選ばれたのは
かつて千利休が茶室を設けたほどの名水の地として知られ、
また、水質の良い宇治川、木津川、桂川という
3つの川が合流する地で、霧が立ち込めており
ウイスキーを熟成される樽に、乾燥による
亀裂が発生しにくく、ウイスキーづくりにとても適した環境のため、
サントリーの前身である寿屋の創業者である
鳥井信治郎氏によって選ばれました。
地名は大阪ですが、新幹線だと
新大阪より京都の方が近いので、
まずは京都に向かいます。
そして京都駅から電車で15分ほどで・・・
山崎駅に到着します。
階段には山崎蒸溜所の看板がありました。
山崎駅から徒歩10分ほどで
山崎蒸溜所に到着します。
道中はごく普通の住宅地ですが
遠くの赤丸の部分が山崎蒸溜所です。
そして山崎蒸溜所に到着。
今回はこの中を見学しました。
見学料はテイスティングセミナー込みで1,000円でした。
蒸溜所の隣には、無料で入れる
山崎ウイスキー館という建物があります。
見学までまだ時間があったので
まずはこちらに入りました。
エントランスは歴史を感じさせる
看板や雰囲気でした。
そして創業者である鳥井信治郎氏の
写真が飾られています。
この山崎ウイスキー館では
様々なウイスキーの歴史を学べる
展示物が多数あります。
写真や動画のみならず、鳥井信治郎氏が
当時使用していたサイドボードや
国産第一号のウイスキー
サントリー ウイスキー 白札などの
様々なボトルも展示されています。
そして当時の広告や
当時の日本の歴史とともに
これまでのサントリーの歩みが掲示されています。
そして建物の2階に進むと・・・
いよいよシングルモルトウイスキー 山崎の誕生です。
この時まで知りませんでしたが、
山崎ウイスキーは私と同じ
1984年生まれと知り、より一層想い入れが深まりました。
ここでは熟成年数の異なるボトルの
それぞれのテイストであったり
山崎蒸溜所が誕生した1923年から
現代までの流れが、時系列に並べられたボトルで
視覚的にわかりやすく展示されています。
そしていよいよ蒸溜所内の見学。
まずはこれから見てまわる蒸溜所内で
どのようにウイスキーが作られているのか
模型を見ながら案内されます。
ウイスキー館から蒸溜所への道中にある中庭では
鳥井信治郎氏と二代目社長の佐治敬三氏の銅像が
出迎えてくれます。
まずは糖化の工程。
麦芽と温水を混ぜ合わせてお粥状態にして
甘みのある麦汁を作ります。
続いて発酵の工程。
発酵中の麦汁に酵母を加えて
麦汁をアルコール分約7%の発酵液にします。
そしていよいよポットスチルによる蒸溜です。
蒸溜は水は100℃、アルコールは78℃という
沸点の違いを利用して、アルコールを先に気化させて
その蒸気を冷却することによって液体化して
アルコールや香気成分のみを抽出します。
そのため、この部屋の中はサウナのような
熱気と湿度で、独特の香りが立ち込めます。
この日は焼き立てのパンのような、
甘い香りでしたが、蒸溜している発酵液の種類によって
アルコールのツーンとした香りや
漬物などのような酸味を感じさせる香りの日もあるそうです。
ここには合計8台のポットスチルが設置され、
形状や材質、熱源などの違いによって
ここで通常2回蒸溜して出来上がる
アルコール分70%以上の「ニューポット」と呼ばれる
液体の味わいに違いが生まれます。
そしてこのポットスチル、
なんとメンテナンスや清掃のために
中に人が入ることがあるそうです。
写真はその入り口です。
そしてここで出来上がったニューポットを
続いて樽に詰め、熟成させます。
この熟成させたものを原酒と呼びます。
熟成は貯蔵庫にて行われます。
おびただしい数の樽が部屋中に並べられています。
この貯蔵庫は樽の微細な孔や隙間から
ウイスキーの原酒が揮発しているため
ものすごいアルコール臭がします。
また、この部屋に空調などはなく
屋外と変わらない温度や湿度になっています。
これはあえてそのような環境にされており
この山崎という環境が作り出す
日本ならではのウイスキーを作りたいという
鳥井信治郎氏の信念が体現されています。
樽は木材の違いを含め、大きさや
過去にワインやシェリーなどを熟成させた樽かなど
様々な違いによって、熟成後の仕上がりに変化が起こります。
また、この貯蔵庫のどの位置に保管するかによって
気温や湿度の影響でも熟成後の仕上がりが異なります。
こうしてたくさんの個性ある原酒を作り、
その中から選ばれた原酒たちをブレンドして
「山崎」ウイスキーの味わいになるように
仕上げていきます。
そしてこの山崎がどのような工程で
製造されているかを学んだ後に・・・
いよいよテイスティングで山崎を学びます。
先ほど見てまわった原酒と
完成した山崎のノンエイジをテイスティング。
右端の山崎は好みの飲み方でとのことで
今回はおすすめのハイボールの作り方が紹介され
私もハイボールで美味しくいただきました。
ここで蒸溜所見学は終了ですが、
山崎ウイスキー館のテイスティングカウンターでは
有料の試飲ができるとのことでしたので
行ってみました。
ティスティングカウンターのある1階は
たくさんのボトルや樽やポットスチルなどで装飾され
眺めているだけでも楽しめます。
そして私は、ここでしか飲むことができないという
アルコール分58%に薄めた
ニューポット(15ml 100円)をいただきました。
高い度数によってアルコールのツーンとする感じはありますが
さきほどの蒸溜部屋で感じた、焼き立てのパンのような
甘みも感じるお酒でした。
念願かなって蒸溜所を見学でき、
山崎というウイスキーに、より一層惹かれた渡邊でした。